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よくあるご質問

  • Q. ウィンドチャレンジャー号みたいな帆船は世界で初めてですか?
  • A. 全閉構造の硬い帆でテレスコピックに上下伸縮するものは世界初です。日本、米国、欧州で特許を取得済みです。
  • Q. 日本でもだいぶ前に帆船貨物船がありましたよね。 それとの違いは何ですか?
  • A. 1980年代に日本舶用機器開発協会のプロジェクトで、キャンバー付び板状の固い帆(JAMDA Sail)が開発され、新愛徳丸という内航タンカーに2本搭載されました。この帆は面積も小さく、エンジンを帆がアシストする『機主帆従』のコンセプトで、省エネ率も10%程度の規模なのに対し、ウィンドチャレンジャーは『帆主機従』のコンセプトで帆による大幅な省エネを狙ったものです。
  • Q.  省エネの効果はどのくらいですか?
  • A. 開発中の帆の寸法は、高さ50m、幅20mです(実証試験は2.5分の1サイズ)。この帆4本を戴貨重量8万4千トンのばら積運搬船に搭載した場合、北太平洋の往復航路で、年間平均30%以上の省エネが期待されます。また、常に追い風・横風を受ける航路を選ぶことによって、年間平均50%以上の省エネも期待できます。
  • Q. どのような風が効果的なのですか?
  • A. 風速は速ければ速いほど帆は力を出しますが、横方向からの風が最も効率よく前進力を出します。逆に正面からの風には効果が無く、真後ろからの風も効果は悪くなります。帆の強度も考えると、風速15m/s程度の横風が吹いた場合が最も帆の力を利用できることになり、エンジンをフル回転したのとほぼ同じ船速を出すことが出来ます。
  • Q. 船体の補強は大規模になるのでは?
  • A. 貨物船に装備されている一般的なデッキクレーンと同様の甲板補強で済むので、それほど大規模な補強にはならず、貨物スペースも減ることもありません。
  • Q. この帆を搭載した船は、これまでと違うエンジンになるのですか?
  • A. エンジンとしてはこれまでの船と同様に最も燃費効率の良いディーゼルエンジンを使いますが、風パワーを使う分エンジンの馬力を小さくすることが可能です。
  • Q. 実際の船では、費用はどのくらい掛かりますか?
  • A. 実物大の帆は1本2億円程度になると思われます。したがって4本搭載の船では8億円となり、更に前方見通しのため船橋を船首部に配置するなどの工事も合わせると、約9億円の費用が見込まれます。
  • Q. その費用は回収できますか?
  • A. 航海中の燃費消費量が1日当たり32トンの8万4千トンのばら積船に4本の帆を搭載するとして試算すると、帆による36%の省エネ、年間220日の航海、燃料代を6.5万円/トンとして、年間の燃料費節減額は1.64億円となり、9億円の初期投資を約5.5年で回収できます。
  • Q. 実際の船はいつ実現するのですか?
  • A. 今回の佐世保での実証実験(2014年9月に終了予定)で予定通りの機能・性能・強度が確認された後、実践搭載の船主を募り、2016年には第1線就航を目指します。


実証機試験に関する質問

  • Q. 実証機の帆の材料は何かと厚みは何mmですか?
  • A. 帆はGFRP(グラスファイバー強化プラスティック)とPET発砲コアのサンドイッチ構造で、厚みは約60mmです。
  • Q. 証試験では、何を測っているのですか?
  • A. 風向風速に対するマスト根部の変位・応力を計測し帆に発生する力を推定します。また旋回速度・伸縮速度なども設計と合っているかを確認します。
  • Q. 風速何m/sまでの強度がありますか?
  • A. マストの根元は平均風速20m/s、最大瞬間風速30m/sに耐える強度を備えています。これより更に強風の場合は、帆を収縮させて縮帆し帆の面積を小さくすることにより帆およびマストの根元に掛かる力を小さくします。